一般社団法人日本自動車販売連合会が5月10日に発表した、2022年4月の乗用車ブランド通称名別順位、いわゆる新車登録台数を見ると、なんとトヨタのプチバン、トヨタルーミーが1万1108台でまさかの1位を獲得した。これまで1位を取り続けていたヤリスやカローラを抜いての堂々の1位、登場以来初の栄冠となる。
はたしてルーミーがNO.1になった要因はなんだろうか、探ってみた。
文/ベストカーweb編集部
写真/トヨタ、ベストカーweb編集部
■4月の新車登録台数1位を獲得したルーミーはまぐれじゃない!
自販連が5月10日に発表した、4月の乗用車ブランド通称名別順位を見て驚いた。ルーミーが1万1108台(前年比91.3%)で1位になっていたからだ。
今年に入って1月と2月2位、3月1位だったヤリスはルーミーに1063台差の1万45台(前年比50.3%)で2位。1月2位、2月1位、3月2位だったカローラは、4月は9906台(前年比114.2%)で3位にランクインしている。
とはいえ、ルーミーが1位になったのはいわゆる新車効果の“ポテンヒット”でいきなり1位になったわけではない。2021年4月から2022年3月(2021年度)の新車販売台数においても、1位ヤリス(19万1414台、前年比94.5%)に次いで、ルーミーは2位(13万4321台、前年比130.3%)にランクインしている。ちなみにカローラは3位(12万4224台、前年比110.2%)だ。
ルーミーはヤリスに5万7093台という大差を付けられて2021年度販売2位となったが、月販台数ではいつ1位を取ってもおかしくなかった。
さらにいうと、ルーミーは兄弟車タンクの廃止統合や外観のリフレッシュ、先進安全機能(一部グレードは電動パーキングブレーキや渋滞の停止保持まで行えるACCを装備)が強化された2020年9月のマイナーチェンジ以降、上位3位にランクインするようになる。
それまでルーミーは10位あたりをうろうろしていたが、マイナーチェンジ直後の2021年10月に3位にランクインしたのを皮切りに、2021年12月3位、2022年1月~8月まで2位、9月以降は3位3回、13位1回。2022年に入ると1月3位、2月2位、3月3位、そして4月に初めて登場以来初の1位を獲得した。
常連1位だったヤリスについて補足しておくと、2021年1月~2022年4月までの新車販売台数では、ヤリスは1位が11回、2位2回(2021年11月にカローラが1位、2022年4月にルーミーが1位)、3位1回(2022年2月)。2022年の累計販売台数では21万2927台でダントツの1位、2位は13万4801台でルーミー、3位は11万8605台でカローラとなっている。
厳密にはヤリスにはヤリスクロス、カローラにはカローラスポーツ、セダン、ツーリング、カローラクロスが含まれる台数だ。
それに比べルーミーは1車種だけ(標準とカスタム、1L、直3NAとターボ)でこれだけの台数を稼いでいるのだから凄い。
ちなみに最大のライバル、ソリオは2022年1月12位3670台、2月19位2868台、3月20位3819台、4月22位1706台と、1万台オーバーのルーミーに大差をつけられている。
ここまで人気が出た理由について、首都圏のトヨタモビリティの営業マンに聞いてみると以下のように答えた。
「ルーミーが1位になったのは当然の結果だと思います。全長3.7mで室内スペースも小さいお子さんがいらっしゃる家族には十分なスペースで、とにかく運転しやすく街中で使うのはピッタリという声をいただいております。ヤリスでは後席がちょっと狭く使いづらい。かといってノアやヴォクシーでは大きすぎる。ルーミーはプチバンと言われていますが、小さいミニバンの需要がルーミーに一極集中しているのではないかと思います」。
一方、別の首都圏のトヨタモビリティの営業マンはこう指摘する。
「ちょうど2年前にタント、ルーミーがトヨタ全店扱いになっていた頃でもすでにタンク、ルーミー合わせるとカローラやヤリスの販売台数を上回ることもありました。その後、タンクが廃止されて弊社ではルーミー、ダイハツさんではトールを販売することになりましたがお子様がいらっしゃるヤングファミリー層にはダントツ人気ですね。
ヤリスの販売が落ち込んでいるのは、人気が低下したというのではなく、ヤリス、ヤリスクロスを生産している岩手工場の減産で、販売が一時的に落ち込んだことも影響しているのはないでしょうか。4月に入りトヨタ全体では2割の減産となります。半導体不足が続いておりますのでこうした傾向は続いていくかもしれません」。
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