爽快感と安全性の妥協点? 「Tバールーフ」
オープンカーの弱点は、屋根がないことによる剛性の低下をボディ(フレーム)側で補わなくてはならないことで、その補強のために重量増加を招いてしまう。そこで考え出されたのが、前後のウィンドウをバーでつなぐ通称「Tバールーフ」だ。
Tバールーフの発祥は1970年代のアメリカと言われており、これは当時引き上げられたクルマの安全基準に準拠させるのが目的だった。そしてその流れは日本にも波及し、一時は国内でもちょっとしたTバールーフの流行があった。
Tバールーフを採用した国産車は日産のフェアレディZやNXクーペ、そしてトヨタのMR2など。いずれもスポーツ志向の強いクルマだが、これは顧客の年齢層などを考えれば納得。
しかし、Tバールーフのクルマにはそこまでの利点はなく、実際に乗っていた経験がある人も「不便さが先に立って、ほとんどルーフを開放することはなかった」と語っている。残念ながらTバールーフは一過性の流行に終わり、近年のクルマで採用例を見ることはほとんどない。
【画像ギャラリー】技術大国ニッポンが誇る、世界をあっと言わせた自動車技術の今昔を見る(13枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方