■5代目S13型シルビア
続いてはFR車だ。まずは先陣を切って登場した5代目となるS13型シルビアだ。「アートフォース・シルビア」というキャッチコピーで1988年5月に登場。
その名の通り、美しいクーペスタイルそしてFRの駆動方式を採用し、若者を中心に大ヒット。当時デートカーとして人気を博していたホンダ プレリュードの座を奪い去った。
そして現在ではドリフト用のベース車として30年以上変わらぬ人気を誇っているスポーツカーだ。
デビュー時は1.8Lターボと自然吸気だったが、1991年のマイナーチェンジで2Lエンジンへと換装されている。
現在、S13型シルビアの中古車の流通台数は約41台とこの年代のモデルとしては豊富だ。
価格帯は約160万~約420万円。普通はノーマル車よりチューニングカーの価格のほうが高くなるのだが、S13シルビアはノーマル車のほうが高額で、280万円以上のプライスを付けている中古車はすべてノーマル車。
ターボエンジンを搭載したK’sだけでなく、自然吸気エンジンのQ’sも高値となっている。もうS13型シルビアでドリ車を作るのは困難となっている。
■2代目F31型レパード
1986年に登場したスペシャリティカーのF31型2代目レパード。この世代から2ドアクーペのみとなり、ハイソカーとして人気のソアラに真っ向勝負を挑んだモデルだ。
搭載されるエンジンは当時新開発さればかりのVG型のV6エンジンを搭載、2Lにはターボエンジンが設定されていた。また最上級グレードのアルティマには超音波ソナーのハイテク装備「スーパーソニックサスペンション」を設定するなど先進装備も満載していた。
1988年にマイナーチェンジを行い、内外装を一新。前期型の特徴だった全面ブルー液晶の「グラフィカル・デジタルメーター」は廃止された。エンジンは最高出力255psを発生する3LV6ターボを追加した。
刑事ドラマの劇中車として使用され、根強い人気がある。新車時はソアラに圧倒的に負けたが、中古車となってその立場は逆転し現在でも高価格を維持している。
現在、2代目レパードの中古車は約28台流通していて、価格帯は約120万~約756万円。
500万円以上の中古車は神奈川県にあるショップが手がけたフルレストア済のクルマで、相場は値上がり傾向だ。中古車となってからの人気は圧倒的にレパードに軍配が上がっている。
■8代目R32型スカイライン
最後に紹介するのは、やはり16年ぶりにGT-Rが復活した8代目R32型スカイラインだ。「超感覚スカイライン」のキャッチコピーで1989年5月に登場。4WD車とGT-Rは同年8月だ。
大型化したR31スカイラインの反省から、ボディサイズを小型化しリアシートの居住性を犠牲にしても高い走行性能の実現を追求した。
そして、高出力化に成功したRB型直6エンジンを中心としたパワートレインを搭載。そしてサスペンション形式は前後にマルチリンクを採用し、スカイラインらしい走りを実現した。
ボディは2ドクーペとピラードハードトップスタイルの4ドアを設定。
開発担当者の伊藤修令氏をして、当時ライバルとしたポルシェ944の走行性能を超え、レースに勝つために作ったというスカイラインGT-Rが16年ぶりに復活し、販売台数4万4000台という大ヒットモデルとなった。
現在R32型スカイラインクーペの中古車の流通台数は約18台で、価格帯は約78万~約729万円。
最高値の中古車はトミーカイラが手がけたコンプリートモデルで、3Lエンジンを搭載している。ほとんどがチューニングカーでノーマル車を見つけるのは困難だ。
一方、4ドアセダンの中古車の流通台数は約9台。価格帯は約118万~約299万円。こちらはノーマル車が多く流通しているのが特徴だ。
またR32型スカイラインGT-Rの中古車の流通台数は約64台と、R34型GT-Rまで続く第2世代GT-Rのなかでは最も流通台数が多い。
これは新車がたくさん売れたことも大きな要因だ。中古車の価格帯は約300万~約1700万円で、1000万円以上が4台。そして24台が新車時価格を上回る価格となっている。
結論としては言えるのは、901運動によってクルマ造りが見直された名車たちは30年近く経ってもネオクラシックカーとして生き抜いているということがわかった。
901運動に参加した当時の開発者たちの苦労が報われたのではないだろうか。
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