【セルフでうっかり事故多発中!!】ガソリンと軽油 入れ間違えたらどうなる どうする!?


 サービス付きのガソリンスタンドが、セルフスタンドに変わってしまうことにも慣れっこになりつつある今日この頃。

 “セルフ”を利用するユーザーの割合は石油連盟のアンケートによれば66%となっており、現状で東京都内でもこの数値を超えている実感がある。

 しかし、セルフスタンドに慣れたとはいえ、ついうっかり、燃料を入れ間違えてしまう可能性もある。しかも最近、同じ車種でガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車の両方をラインナップしているクルマが増えてきているので危険度は高くなってくる。

 実際、JAFが調査した2018年の年末、12月1日~31日までの1カ月間、燃料の入れ間違いトラブルは全国で390件も発生している。

 はたして、ディーゼル車にガソリン、ガソリン車に軽油を入れてしまった時はどう対処すればいいのだろうか? また修理が必要になるのか? その費用はどうなるのか? モータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説する。

文/岩尾信哉
写真/ベストカー編集部 ベストカーWEB編集部

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会社のクルマや代車での燃料入れ間違いが多い!

セルフスタンドで給油ノズルは、ハイオクは黄色、レギュラーは赤、軽油は緑とまるで信号機のようにわかりやすく色分けされているのだが、全国で1カ月間に390件も燃料入れ間違いトラブルがあった

 給油の段取りに慣れておらず、燃料の給油ノズルを確認するにも右往左往しているのは筆者だけかもしれないが、ガソリン(レギュラーとハイオク)と軽油のノズルはしっかりと色分けされているから、給油すべき燃料を間違えることはそうは起こらないはず。

 それでも、うっかりディーゼル車にガソリンを入れてしまった時はどう対処すればよいだろうか。なかには「軽自動車だから軽油を入れた」というような冗談のような話が聞かれるのだから油断大敵。そんな“緊急事態”での対応を確認しておこう。

 JAFは、2018年12月1日~31日の1ヵ月間で寄せられた「燃料の入れ間違いによるトラブル」の要請件数をまとめて発表しているので紹介しよう。

 ドライバーから寄せられた救援要請のうち、「燃料を入れ間違えた」との申し出があったものが全国で390件あったという。

 ドライバーが入れ間違いに気づかず、走行不能などのトラブルとなってから救援を要請されたケースなども想定されるため、実際の数はさらに増えることが考えられるという。

●燃料の入れ間違いによるJAFへの救護要請件数:2018年12月1日~12月31日:一般道:373件、高速道路:17件、総計:390件)

 ちなみに、ドライバーからの申告では、「(会社のクルマや代車など)自分のクルマではなかった」「うっかり間違えてしまった」といったケースや、先に触れた「軽自動車は軽油と思った」といったものが多く、勘違いや思い込みがトラブルにつながっていることが見受けられたとされている。

 JAFの資料では「エンジン始動前すぐに正しい燃料を入れ替えれば大きな問題はありませんので、入れ間違いに気づいたらJAFに連絡するなど、すみやかな対処をお願いいたします」とあるが、エンジンの不調に気づいた時点で対処することが多いだろうから、普段から多少なりとも注意は払うことは必要だろう。

 なお、ガソリンエンジンに軽油を給油した場合には、エンジンを作動させてしまっても、直ちに重大な故障は起こらず、エンジンオイルや点火プラグの交換など、比較的簡単な整備ですむ場合が多いと言われている。

軽油は軽くなく、軽自動車用でもない!

燃料の色はJIS規格で決められ着色されている。一番左の黄緑色が軽油、中央のハイオクガソリンとレギュラーガソリンはオレンジ色で同じ色だ

 さて、軽油とはどのようなもので、ガソリンとどう違うのかを確認しておこう。どちらも原油から精製される石油製品の一種で、軽油はディーゼルエンジンの燃料として使用されるというのはご承知のはず。

 意外に誤解されやすいのは、軽油の名称は重油に対して付けられていて、別表のように石油燃料として質的に“軽い”わけではない。

 日本の給油スタンド(ステーション)では、セルフ式スタンドの普及により誤給油を防ぐ理由から「軽油」の代わりに「ディーゼル」と表記されていることにも気づきにくいかもしれない。

●石油製品の密度(単位:g/㎠)/LPG(液化ガス):0.50~0.60、自動車用ガソリン:0.72~0.76、ジェット燃料:0.76~0.80、灯油:0.78~0.80、軽油:0.80~0.84、重油:0.80~0.96

 最近のディーゼルエンジンには、効率の良い燃焼を実現するために、燃料を高圧で噴射するためのコモンレール式やユニットインジェクター式の噴射装置が採用され、具体的には2000気圧を超える圧力で軽油が噴射される(ガソリンエンジンの場合には300~400気圧程度)。

 高い噴射圧を実現するためには、高圧噴射に対応する燃料ポンプとインジェクター(噴射ノズル)が必要とされ、なおかつ作動部の摩耗を抑えるために、軽油には潤滑剤が添加するなど、高い潤滑性が求められる。

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