■軽のネガティブ要素がすべて解消されている
さて、肝心のパワートレインだが、新開発のe-パワートレインは、20kWhの駆動用リチウムバッテリーを搭載し、一充電走行距離180km(WLTCモード基準)を確保。
コンパクトカーユーザーの8割が、一日あたり50km以下(三菱調べ)というデータを元に、大半のユーザーが2日以上充電せずに走行できる容量を確保したという。
旅行や出張など遠くへ出かけるときにはミニバンやSUVを、買い物などで近場を頻繁に行き来するときには軽BEVを、といった使い分けも想定しているようだ。
普通充電(AC200V/14.5A)と急速充電の2つのポートを備えており、普通充電は約8時間で満充電、急速充電では約40分で80%の充電が完了するという。
また、蓄えた電力は、V2L(電気を取り出す仕組み)でキャンプなどでの電源として、V2H(住宅へ給電する仕組み)で停電時の補助電源としてなどにも対応するという。
エアコン冷媒を用いた冷却システムによって、電池の温度上昇を制御することで、高速走行と急速充電を繰り返しても、高い充電量維持することができることは、非常にありがたいことだ。
駆動用モーターの最高出力は45kW(64ps)だが、最大トルクは195Nmにもなり、これは通常の軽ガソリンターボ車の約2倍に相当する。モーターの制振性能も高いため、BEVならではの滑らかで力強い走りを実現している。
実際に、短時間ながらハンドルを握らせていただいたが、軽い車体とパワフルなモーターの相性は、この上なくマッチしており、軽のネガティブ要素がすべて解消されている。登坂でも加速が良いので、これまでの軽が苦手だった登坂走行や信号停止からの発進は、本当に楽になるだろう。
これまで、軽自動車は、ターボ化やマイルドハイブリッド化などでお茶を濁してきたが、このeKクロスEVこそ(日産のサクラも)が「軽の答え」だと筆者は感じた。
走行モードは、「ECO」「STANDARD」「SPORT」とあり、イノベーティブペダルオペレーションモード(いわゆる日産eペダル)もオンオフ機能があるので、自分にあった走行モードを見つけることが可能。アクセル操作に反応して、パワーゲージのレベルが鮮やかに光るのは、演出として面白いと感じた。
■大きな歴史の一歩が踏み出された
eKクロスEVには他にも、マイパイロットパーキングの三菱車初採用に加えて、マイパイロット(日産のプロパイロット)に緊急停止支援システム(SOSコール機能付)を新たに採用。
マイパイロット作動時に、ハンドル操作が一定時間検知されず、警告にも反応がなかった場合、徐々に減速して停止、緊急通報センターを通して緊急車両を手配する(※ミツビシコネクトへの加入が必要)。
軽のBEVに関しては今後、スズキやダイハツ、そしてホンダといった他の軽メーカーも追従してくることが予想される。しかし、新世代の軽BEVの第一人者として、このeKクロスEV/サクラが大活躍してくれることは間違いない。今後が非常に楽しみだ。
【画像ギャラリー】補助金込みで178万円から!! 軽EVの先駆者三菱から「eK クロス EV」登場!! 6月末販売!!(18枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方