■コンパクトカー初採用 シティブレーキアクティブ
追突事故を回避、または衝突事故の衝撃を軽減してくれる、シティブレーキアクティブシステム(CBAS)が新型フィットに採用された。この機能、いまや各メーカーがこぞって採用、装着率が急増している。ホンダはこの分野の先駆者だったが、いつのまにか他社の後塵を拝していたので、待望の装備といえるだろう。
システムは、赤外線レーダーで前方の障害物を感知、時速30キロ以下なら警報と同時に自動ブレーキが作動する。ホンダでは完全停止をうたっていないが、実際には停止するようだ。誤発進抑制機能も備える。
CBASは、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグとセットになった「あんしんパッケージ」として、ハイブリッドと13Gのベーシックグレードを除いてメーカーオプション設定される。これだけのセットで、価格は税込み6万円ポッキリ。サイドエアバッグだけで2万~3万円だから非常におトク。フィットご購入の際は、装着することをオススメしたい。
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フィットは1.3Lと1.5Lのノーマルエンジン、1.5Lをベースにしたハイブリッドを設ける。1.3Lの13Gとハイブリッドには、F/L/Sという3つのパッケージオプションを用意。1.5Lのノーマルエンジンは15XとLパッケージ、RSという構成だ。
まずはエンジンの選択だが、街中を中心にした使い方なら1.3L。走行距離が1年間に5000km以下で、なおかつ走りを重視するなら1.5L。走行距離が延びて高い動力性能も求めるなら、最も低燃費でパワフルなハイブリッドになる。理由はエンジン価格差と燃費のバランスだ。
エンジン単体の価格は、ハイブリッドは1.5Lに対して15万円、1.3Lよりは27万円高い。エンジン価格差が実用燃費で埋まる距離を計算すると、1.5Lの15万円は4万km、1.3Lの27万円は12万kmになる。なので1.3Lの動力性能で充分と考えるユーザーが、ハイブリッドを選ぶ必要はない。
しかし1.5Lとの選択は使い方次第。1年間の走行距離が5000km以下では、ハイブリッドとの価格差を燃料代で埋めるのは難しいが、1万kmを走れば4年間でモトが取れる。1.3Lで物足りないと感じたら、走行距離と運転感覚でハイブリッドと1.5Lを選び分けたい。ただし1.5Lと1.3Lのエンジン価格差は12万円だが、前者は4万円ほど割高だ。
次はグレード選び。1.3Lは136万円の13G.Fパッケージがベスト。1.3Lを主力とするコンパクトカーの売れ筋価格帯に収まり、スマートキーとLEDドアミラーウインカーも標準装着される。13Gに備わらない後席の跳ね上げや小さく畳む機能も加わる。13Gに対する価格上昇は9.5万円だが、13.5万円相当の装備をプラス。最廉価の13Gに設定されないあんしんパッケージ(衝突回避の支援機能+サイド&カーテンエアバッグ)も6万円で用意され、必ず装着したい。
ハイブリッドも標準仕様にはあんしんパッケージなどが設定されず、172万円のFパッケージを選ぶ。ハイブリッドではスマートキーは全車に装着され、Fパッケージにはインパネのソフトパッドなどが加わる。
なお、ハイブリッドは有段の7速ATだから、CVTと違ってパドルシフトを有効活用できる。その意味で193万円のSパッケージもねらい目。足まわりは16インチアルミホイールも含めてRSに準じた設定になり、運転の楽しさを満喫できる。
(TEXT/渡辺陽一郎)
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