緊急事態宣言が解除され、都内では東京アラートが解除されたことを受け、公共交通機関の利用者が急増している。この三密を避けるために仕事やプライベートでクルマを活用したいユーザーも多いのではないだろうか。
一方で「そのクルマの中の環境は安心なのか?」という疑問も生じてくる。そこでこれからの梅雨や暑さも含め、車内環境改善に役立つカー用品を紹介するのだが、やはり予算はそれなりにかかる。
今回提案したいのは「一律10万円の給付金」を活用して、家族などを載せる大事な車内環境の改善だ。ただし全額を使い切るのでは無く、予算に応じて4つのパターンを選んでみた。
文:高山正寛/写真:カーメイト、パナソニック、シャープ、ボッシュ、Blueair、シャーク、ケルヒャー、ダイソン、ベストカーWeb編集部
■車内って思っているより汚い

車内の環境を悪化させるものには
【1】臭い
【2】汚れやほこり、そしてゴミの残骸
【3】灰皿に残っているタバコの吸い殻(最近は大分減っていると聞く)
などに大別される。
自分自身の身だしなみなどはしっかり行う割にはクルマの中の掃除は「今度の週末にやるか」的におろそかになってしまうケースもある。
特に梅雨の時期などはカビの発生も高まることもあり、頻繁に掃除はかかせない。しかし定期的に行うのは難しいのも現実。そこでケミカル用品や掃除時間自体を“時短”させる用品があるとグッと楽になるはずだ。
■1万円以下「お手軽コース」
●最新のケミカル+空気清浄機の組み合わせ
◆話題の「安定化二酸化塩素」を使うケミカル用品
カーメイト「Dr.DEO」(リンク先)

買ってすぐに使えるのがカー用品店などで販売されているケミカル用品。特にその中で昨今話題なのがカーメイトの「Dr.DEO」シリーズだ。
この商品、除菌・消臭に効果のあると言われている「安定化二酸化塩素」を主要成分に採用している。
カビ臭やウイルス対策なども含め効果が期待できるが、据え置きタイプ、エアコン取り付けタイプ、さらに家庭用エアコン向け商品など種類も多いので用途に応じて選べるのも魅力だ。
◆車内だけでなくデスク周りでも使える
パナソニック「F-GMK01」(リンク先)
オープン価格(市場実勢価格:8000円前後)

除菌・消臭に効果があると言われるパナソニックの「ナノイー」技術。車載用のこのモデルにはエンジンを切った際の風量を記憶しておく「メモリー機能」や「気流制御ルーバー」の採用により車種に応じて効果的に風を送り出すことができる。
またコンパクトなボディにプラスして別売りのACアダブター(3400円)を使えばデスク周りでも使える汎用性の高さも魅力だ。
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「Dr.DEO」の選び方にもよるが、上記2つを組み合わせても1万円でお釣りが来る。まずはローコスト派にオススメだ。
■1万円台コース
●エアコン周りに注目した「カビ臭対策コース」
◆エアコン吹き出し口に手軽に取り付け
シャープ「IG-KC1」(リンク先)
オープン価格(市場実勢価格:1万2000円前後)

家庭用、車載用など生活に根付いていると言ってもいいのがシャープの「プラズマクラスターイオン」。
コンパクトな「IG-KC1」はエアコン吹き出し口に取り付けるタイプなので軽自動車などにもオススメ。
小さくても特許技術である「プラズマクラスター25000」を搭載。付属のUSBアダブターはポートが2個あるのでもう一方でスマホなどの充電にも使える。
◆PM2.5にも対応するなど根本からブロック!
ボッシュ「エアコンフィルター」(リンク先)
オープン価格

ボッシュのアフターパーツのひとつである「エアコンフィルター」。
国産/輸入車とも対応する商品が多いのも特徴だが、国産車用の「アエリスト」シリーズはPM2.5のような微小粒子やウイルス抑制、抗菌や脱臭、花粉やほこりを集塵するなどの用途に応じた高機能が魅力だ。
エアコン周りの根本であるエアコンフィルターは意外と盲点なのでここから改善していくことをオススメ。
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エアコンフィルターの価格には幅があるが、それでも上記2点を組み合わせても2万円以下でお釣りが来る。特にこれからの時期、エアコンを多用する機会が増えるのでオススメだ。
■5万円以下「しっかりコース」
●除菌&集塵のダブル効果を狙う
◆従来比2倍の実力の最新モデル
シャープ「IG-MX15」(リンク先)
オープン価格(市場実勢価格:1万8000円前後)

家庭用、車載用など生活に根付いていると言ってもいいのがシャープの「プラズマクラスターイオン」。
車載用にも数多くの商品があるが、イチ押しは最新の「プラズマクラスターNEXT」搭載空気清浄機だ。イオン濃度を従来比20%高めたことにより付着したカビ臭の消臭スピードを約2倍高めたのが特徴だ。
◆わずか3分で空気を洗浄
Blueair「ブルーエア キャビン」(リンク先)
オープン価格(市場実勢価格:3万円前後)

世界60カ国以上で空気清浄機を販売する専業メーカーが自動車専用に開発した商品。家庭用モデルも高い評価を受けているが、車載用も有害物質やアレル物質を99%まで除去できる独自のテクノロジーを搭載。
本体はヘッドレスト後部に専用バンドで取り付けが可能。アクセサリーソケットに接続し電源を供給する部分には「スマートコントロール」機能を搭載し操作が行える。
また専用のスマホアプリを使えば空気の質のモニタリングや遠隔操作も可能。
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空気の除菌や脱臭など徹底的に行いたいならオススメのコース。それぞれの商品が単体として高い能力を持っているので前述したケミカル系と組み合わせても効果が期待できる。
■5万円以下「徹底お掃除コース」3選
●ゴミや汚れは掃除機が一番!
◆持ち運びも楽々、通販で人気の掃除機
シャーク「EVOPOWER(エヴォパワー)W35」(リンク先)
直販サイト価格:2万4200円

重さわずか620g、スリムなボディなのに高い集塵力を誇るハンディ掃除機。付属の予備バッテリーを使えば最大の24分の使用が可能。付属のすき間用ノズルが車内清掃には重宝する。
◆万能な高圧洗浄機
ケルヒャー「乾湿両用バキュームクリーナWD1 バッテリーセット」(リンク先)
直販サイト価格:2万8300円

高圧洗浄機などでおなじみのケルヒャーの新シリーズは18Vバッテリープラットフォームの採用で屋外でも高い集塵能力を発揮できる点がポイント。
車内での使用は付属のすきま&スモールノズルを使うことで集塵。そして「乾湿兼用」なので多少の濡れたゴミなども吸い取ることができる。
18Vバッテリーはリチウムイオンタイプで他のシリーズと共用が可能。連続使用時間は約10分。
◆車内でも充電可能な専用モデル
ダイソン「V7Car+Boat(HH11 MH CB)」(リンク先)
直販サイト価格:4万3780円

圧倒的な集塵力を持つダイソンの直販限定ハンディクリーナー。
このモデルの特徴は車内での使用を考慮して最長30分の運転時間と車内で充電可能なカーチャージャーほか6種類のノズルを標準装備している点。
車内だけでなく家でも活躍できる性能なのでトータルでは買い得とも言える。
■コロナ禍が引き金となり、車内環境改善は今後のトレンドになる

誰もが頭の中でぼんやりとでも理解しているのは「クルマの中は結構劣悪環境」という点だ。
昨今では自動車メーカーもこれらの環境改善には前向きで、GMではキャデラック・シボレー専用(正規代理店購入のみ)に「パーマーセーフ」と呼ばれる除菌・抗菌などが約6ヶ月間持続するサービスを開始した(1回、1万8200円)。
また海外ではフィアットが欧州向けの500ハイブリッドとパンダハイブリッドに設定した「D-Fenceパッケージ」もアレルゲン物質や粒子状物質などの侵入を100%ブロックするなど従来までのエコロジーとは異なるアプローチで注目を集めている。
高温多湿であり気候変動の影響も受ける日本ゆえの対策は積極的に行っていくべきだし、そのためにも車内環境改善は重要な項目としてこれらのアイテムを役立てて欲しい。
※実勢価格はベストカーWeb編集部調べ