警察マニアだけが知る、 細かすぎる覆面パトカーの見分け方


 警察の覆面パトカーのなかには、「そんなのアリかよ!」と叫びたくなってしまうような、見分けが難しいレア車がある。その代表格といえば、警視庁の交通覆面パトカー、マークX+MスーパーチャージャーやカムリWSだろう。現行の交通覆面といえば、全国的にはクラウンだらけだから、まさに超レア車。予備知識がなければ、気づけないドライバーも多いに違いない。しかしながら、難しいからこそ逆に燃えるのが警察マニアの方々だ。日々の採証活動(マニア活動)で鍛え上げた圧倒的な観察力で、未知のレア覆面パトカーも、確実に言い当てしまう。

 本稿では、マニアさんたちの鋭い観察眼を参考に、初めて出会う覆面パトカーも確実にあぶり出せる方法を紹介したい。なお、さまざまなパトカーの車種については『平成~令和新時代 パトカー30年史』も参考にご覧頂きたい。

『平成~令和新時代 パトカー30年史』はこちら

文・写真/外江彩

【画像ギャラリー】これぞマニア視点! 覆面パトカーの見分け方の詳細(16枚)画像ギャラリー

■退屈な通勤ドライブが「覆面パト」をウォッチする刺激的な活動に

 意外にも私たちの周りには数々の覆面パトカーが走っている。先に挙げた交通取り締まり用はもちろんのこと、捜査用や幹部用など、その種類はさまざまだ。

 覆面パトカーによく用いられる車種や、覆面パトカー最大の特徴ともいえるアンテナ(警察無線用)については、以前の記事『警察マニア予備軍以外、誰得!? 細かすぎる覆面パトカーの見分け方』にて詳しく紹介した(記事のリンクはこちら)。今回は、先の記事をさらに掘り下げ、レアな車種と、さらに細かい仕様について見ていきたい。

 覆面パトカーは細かく見れば見るほどに、個体ごとの違いが出てくる。そういったところをよく観察すると、調達年度や調達方法(国費か県費か)などによる仕様の違いが垣間見え、ディテールへと関心がわき、いつの間にか深いマニア沼にハマることだろう。

 なお、覆面パトカーの仕様に「絶対」はない。以下に紹介するものは代表的な例であって、例外も多数存在することをご了承いただきたい。そしてそんな例外探しが楽しめるようになれば、もはやあなたも立派な警察車両マニアである。

■こんな車種が覆面パトカーに!? 想定外のレア車種たち

 警察車両の多くは、国費で導入される。警察庁が一括購入し、全国の都道府県警に配分するという具合だ。当然ながら車両の導入台数はそれなりに大きな規模になってくる。そのため、たとえ珍しい新車種が導入されたとしても、全国に普及するにつれ新鮮味やレア感が薄れがちだ。

 この国費車両に対して、都道府県の予算で導入される警察車両もある。こちらは、台数が非常に少なく、導入する都道府県ごとにメーカーに偏りが生まれたり、仕様が特殊だったりと、レア感が強くなりがちだ。いくつか代表車種を紹介しよう。

1.トヨタ「マークX +Mスーパーチャージャー」交通覆面
 都費(東京都の予算)で15台が調達された警視庁のハイパフォーマンスカーである。ベース車両であるマークX 350Sに、スーパーチャージャーやエアロパーツ、スポーツサスペンションなどを組み合わせた、モデリスタのカスタマイズカーとなっている。最高出力は360psにもなり、低速から高速まで圧倒的なパワーと加速を誇るクルマである。警視庁はこれを交通取締用四輪車(覆面)として導入した。調達価格は1台あたり800万円以上。交通機動隊、高速隊に配備されており、一般道や高速道で取り締まりを行っている。

マークX+Mスーパーチャージャー。警視庁に15台導入されているハイパフォーマンスカー。エアロパーツなどの外装カスタマイズもなされており、覆面パトカーのイメージとは程遠い

2.トヨタ「ハイエース」交通覆面
 警察車両としては全国に多数導入されているハイエースであるが、なんと警視庁では交通取り締まり用の覆面パトカーが存在する。警察署の交通課での運用が多く、上記のマークXがよく行う追尾式の速度取り締まりではなく、信号無視や一時停止違反などの取り締まりで使用されている。ドライバーもまさかハイエースで交通取り締まりをされるとは思わないだろう。仰天のレア車だ。なお、背の高いルーフに赤色灯が載せられているため、運転中の車内からは赤色灯が見えにくく、警察車両とは気づかれにくいようだ。

警視庁の交通機動隊や警察署の交通課に配備されている200系ハイエースの交通覆面。乗車している警察官の制服から、交通機動隊所属の車両であることがわかる

3.日産「エルグランド」サンルーフ付き交通覆面
 E52エルグランドも、ミニバンでありながら交通覆面が存在する。しかも、サンルーフ付き。ただし、こちらは暴走族取り締まり用で、サンルーフから身を乗り出してペイントボールなどを暴走車に発射し、後の捜査の証拠とし、取り締まりを行っている。警視庁交通部交通執行課などにごく少数ではあるが配備されている。一般ドライバーがお世話になる可能性はほぼない。

E52系「エルグランド」交通覆面。よく見るとサンルーフが付いていることがわかる。暴走族取り締まり時には、ここから身を乗り出して、暴走車に向けてペイントボールを発射する

4.スズキ「SX4」私服型覆面
 いわゆる捜査用のレア車も紹介しておこう。ハッチバックタイプの初代SX4は捜査用の覆面パトカーとして導入されている。2012年頃に国費で導入されているが、全国的に見ればそれほど数が多くなく、なかなか見かけることはない。また外見上の特徴が少ないため、見分けるのが困難な車両のひとつである。それゆえ秘匿性が高く、より一層見かける機会が少なく感じる車種のひとつである。導入から時間が経過しており、警備の現場などに転用されている姿を見かける。

スズキ「SX4」。この車両は警視庁の警備車両として用いられている。ルーフ後端のユーロアンテナは元々ラジオ用として装備されているものなので、赤色灯がなければ秘匿性が高い

5.トヨタ「SAI」エリア警戒車
 警視庁の機動隊でエリア警戒車として導入されているSAIの覆面パトカー。警察車両の選定にあたって、ハイブリッド車を避ける傾向があったなかで(一部の幹部車両などを除く)、警視庁機動隊はかなり早い時期からSAIを導入している。他県では幹部車として導入されていることが多い。

トヨタ「SAI」。警察車両としては珍しくハイブリッド車が早期に導入された。バンパー内にLEDの警光灯が装着されている。この車両は警視庁の都費導入車で、機動隊に配備されている

 以上、交通用から捜査用、また幹部用など、レア車5車種を紹介した。全国にはまだまだヘンな覆面パトカーが存在するが、先にも説明したとおり、こうしたレア車には、都道府県警で独自導入される車両が圧倒的に多い。警視庁や大阪府警、埼玉県警や静岡県警、北海道警などは、独自に変わった車種(交通取り締まり用)を導入する傾向があるので、普段からアンテナをしっかりと張って、ウォッチしておきたい。

次ページは : ■ようこそ沼の深みへ。覆面のディテール処理に萌える

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