■レクサス IS300h Fスポーツ VS BMW 320i Mスポーツ
ISはレクサスのセダンではボディが最も小さい。街中や駐車場でも運転しやすく、後輪駆動だから運転感覚はスポーティだ。先ごろ改良を実施して、走行安定性と乗り心地を大幅に向上させた。
エンジンは3.5L V型6気筒や2L直列4気筒ターボもあるが、販売比率は2.5Lハイブリッドが圧倒的に多く70%以上を占める。そこでIS300hに、19インチタイヤなどを加えたFスポーツを取りあげる。クルマの性格を考えると、走りに振ったFスポーツが相応しい。
ISのライバル車は、BMW3シリーズセダンだ。スポーティな性格を備えた後輪駆動のミドルサイズセダンだからISと共通点が多い。グレードは320i・Mスポーツを選ぶ。ハイブリッドではないが、2L直列4気筒エンジンにターボを装着して、動力性能は3Lに匹敵する。
車両本体価格は3シリーズが19万円高いが、ISにはフル3眼LEDヘッドランプをオプションで加えた。3シリーズではオプション装着の必要はなく、トータル価格の差額は11万3000円に縮まる。
レクサスが北米で開業したのは1989年だが、日本は16年後の2005年だ。BMWやメルセデスベンツなどの輸入プレミアムブランド車は、車種数の充実もあり、バブル経済崩壊後も売れゆきを伸ばした。
これに対抗してレクサスを日本でも開業した経緯がある。そのためにISは3シリーズやCクラスを意識して開発され、装備や価格も似ている。そのうえでISはハイブリッドを強みにしているわけだ。
●総額差:19万円→11万3000円
■まとめ:カーナビなど装備の有無が価格差のポイント
輸入車は日本車よりも割高だといわれる。特にコンパクトな車種は価格差が開く。売れ筋のカテゴリーだから競争も激しく、日本車は価格を抑えているためだ。
ただしコンパクトな車種では、カーナビやアルミホイールがオプション設定になることも多い。その点で輸入車は、装備が全般的に充実する。日本車にカーナビやアルミホイールをオプション装着した合計額と、装備の充実した輸入車の価格を比べると差額が縮まる。クルマの価格はオプションを含んだ合計額で比べることが大切だ。
実際に買う時は、ローンの金利や値引きも影響を与える。残価設定ローンでは、日本車も年率2.9%などの低金利を実施するが、輸入車には0.9%とか1.9%の金利設定も見られる。値引きも発売から時間を経過した車種は、日本車よりも多額になる。
つまり輸入車の価格は日本車を上まわるが、実際に購入する時は、装備の違いも含めて実質差額が減ってくる。輸入車が数年後に高値で売却できる話は、値引きの拡大などもあって今では状況が違っているが、それでもトータルで計算するとある程度は出費を抑えられる。
またレクサスなど高価格の日本車は、ユーザーが割安感を重視しないこともあり、売れ筋の車種に比べて全般的に割高だ。従って輸入車との差額がさらに縮まる。
コメント
コメントの使い方