若い世代に多いとされている「クルマ離れ」。
いまの若者はクルマに関心がなく、欲しいとも思っていないかのようにいわれているが、昔だってクルマを所有していた人みんなが、「根っからのクルマ好き」であったわけではなく、多くの人が「必要だから」もしくは「便利だから」クルマを所有していたはずだ。
「道具」としてのクルマの存在意義は、いまも昔もそれほど変わってはいないんじゃないだろうか。
ではなぜ、「若者のクルマ離れ」といわれるようになってしまったのか。ソニー損保が行った「2021年新成人のカーライフ意識調査※」に基づき、考察してみよう。
※2020年12月2日~12月9日の8日間、2021年の新成人(2000年4月2日?2001年4月1日生まれ)に対し、新成人のカーライフ意識調査をインターネットリサーチで実施した1000名の有効回答に基づいたデータ
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_ohayou!
写真:Adobe Stock、写真AC、TOYOTA、NISSAN、BMW、VW、LEXUS、Mercedes-Benz、Audi、DAIHATSU、HONDA
【画像ギャラリー】2021年新成人たちが「欲しい」 と回答したクルマをギャラリーでチェック!!
若者の意識が大きく変わったわけではない
2021年に新成人となった方々の運転免許保有率は51.3%(男性51.4%、女性51.2%)と、約半数が自動車免許を持っている。そのうちマイカー所有率は14.4%、7人に1人がクルマを持っていることになる。
参考に、10年前の2011年では、免許保有率は51.8%(男性54.8%、女性48.8%)、マイカー所有率は25.3%、4人に1人が持っていた。2021年と2011年の2点のみの比較では、結論付けは難しいが、「免許証は保有するも、マイカーを持たない新成人が増えている」とはいえそうだ。
「車を持ちたいと思った理由」としては、買い物や通勤・通学・旅行などでの利便性の高さ、つまり「移動の道具」といった理由が60%に近く、情緒的な「運転、ドライブが好きだから」といった理由は、その下だ。ただし2011年時点でも、「単なる移動手段としての道具」という回答が60.3%であり、この10年で若者の意識が変わった、ということではない、ということがわかる。
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