燃料価格は高騰したままで、下がる気配が見えてこない。また、脱内燃機関の勢いは若干抑えられたようで、まだまだガソリンの必要性は変わらない。
そこで今回は、知ってるようで知らないことも多い、ガソリンにまつわる知識を紹介していこう。
文/フォッケウルフ
写真/フォッケウルフ
■「取り扱い注意」であることを忘れるべからず!
ガソリンや軽油といった燃料は、クルマに乗るうえで重要なものであることは言わずもがな。しかし、ガソリンに関する常識や知識について、アナタはどれだけ知っているだろうか?
まず、第一にガソリンは”危険物”であるということを忘れないでほしい。取り扱うためには、「危険物取扱者甲種」もしくは「危険物取扱者乙種4類」の資格が必要となる。特に1998年にセルフガソリンスタンドが解禁されて以降、給油という行為が身近なものとなったがゆえに、ガソリンが危険物であるという意識が希薄になってはいないだろうか。
そもそもセルフスタンドは、危険物取扱者である店舗スタッフが、ドライバーによる給油作業を監視室の制御装置により、監視、制御、指示することで、危険物取扱者としての立ち合いを行っており、なおかつ安全対策も万全だから、資格を持たないユーザーでも給油行為ができる。
それでもユーザーとしては、給油前に静電気パッドに触れるとか、子どもに給油作業をさせない、満タンで自動停止したあとに継ぎ足し給油をしないといった、安全性を踏まえて利用するべきなのである。
■ハイオク指定車にレギュラーは入れないほうがいい!?
誤給油しないこともセルフスタンドを利用するうえでは重要なポイント。愛車がガソリン仕様なら、レギュラーあるいはハイオクのいずれかを選ぶことになる。このふたつの違いは、ガソリンの燃えやすさを示す「オクタン価」にある。オクタン価とは、ガソリンのノッキング(=異常爆発)が起きにくい性質の程度をあらわす数字のことで、これが大きいほど性質がいいとされている。
ガソリンにレギュラーとハイオクが存在する理由は、下記リンクの記事を見ていただくとして、ハイオク仕様にレギュラー、レギュラー仕様にハイオクを入れたらどうなるのか。免許を取得したばかりの初心者や、ガソリンが高騰している昨今、お財布事情に不安を抱く人にとっては、「レギュラーか? ハイオクか?」問題は、愛車購入時はもちろん、購入後もやはり気になるところだろう。
●話題のガソリン「基礎の基礎」 そもそもハイオクとレギュラーの違いって?
レギュラー仕様にハイオクを入れると……特になにも起きない。ハイオクに含まれるに洗浄剤の効果があったとか、性能が向上したという事例もあるが、レギュラー仕様車は、レギュラーガソリンを前提とした設計がなされており、レギュラーを使用してこそ能力を発揮する。ハイオクを入れるメリットがゼロではないが、わざわざ割高な燃料を入れたとしても、それに見合った対価が得られるわけではないのだ。
逆に、ハイオク仕様にレギュラーを入れると、故障の原因になると言われているが、重大と言えるほどの事態に陥る可能性は低い。よく言われるのは、ノッキングが起こりやすくなり、走行性能が悪化するということ。
ノッキングとは、着火した際に意図しない離れた場所でガソリンが自己発火する現象のことで、エンジンからキンキンとかカリカリといった金属音が発生する。症状が酷くなるとピストンに損傷を与える可能性がある。
ただし、いまどきのクルマはコンピューターが点火タイミングを自動調整し、エンジンの燃焼室での異常燃焼を抑えるよう制御するのでノッキングは起きにくくなっている。
ならば、「レギュラーを入れてもいいんじゃない?」と思うが、そもそもハイオクを推奨しているエンジンというのは高いポテンシャルを持っている。それを維持したいならハイオクを入れるのがベストで、燃費やエンジンのコンディションを加味すると経済面でもメリットがある。いずれにしても、自動車メーカーがそのクルマに対して推奨するガソリンを使用するべきだろう。
誤給油で致命的なのが、ガソリン車に軽油を入れる、あるいはその逆だ。ガソリン車に軽油を入れると、ノッキングが生じたり、黒煙の発生、出力低下といった症状をもたらす。軽油車にガソリンを入れた場合は、アイドリングが不安定になり、異音が発生し、白煙を発するといった症状が出る。
いずれも、気づかずにエンジンを始動して走行すると、症状が進んでエンジンが停止し、修理となると莫大な費用がかかってしまう。もし、間違ってしまった場合は、エンジンをかけないこと。走り出して異常を感じたら速やかにクルマを停止させ、ロードサービスに連絡して、近くの自動車工場に搬送してもらって燃料を抜き取るなど適切な処置をしてもらおう。
ちなみに、セルフスタンドの給油ノズルは、レギュラーは赤、ハイオクは黄、軽油が緑と、法律によってひと目で油種がわかるよう色分けされているので、指定の油種ノズルを間違わないことはもちろん、給油後にエンジンをかける前に、発行されたレシートで油種が正しいものであったかを確認する習慣付けるとより安心だ。
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