■三菱 8代目ギャラン&レグナムVR-4(1996年9月登場)
8代目ギャランは量産車では世界初となる直噴GDIエンジンを搭載したことが大きな話題となったモデルで、レグナムはレガシィツーリングワゴンに対抗するべく、この時に加わった8代目ギャランのステーションワゴンである(全長4710×全幅1740×全高1450mm、ホイールベース2635mm、280ps/37.0kgm、レグナムVR-4)。
8代目ギャラン&レグナムのトップグレードとなったのがVR-4だ。
V6の2.5Lツインターボを搭載したこのVR-4もハイテク満載というのは歴代VR-4と同様で、リアデフはランエボIVで登場したAYCだったし、AT車には当時ほとんど普及していなかった横滑り防止装置ASCを搭載するなどしていた。
ただ、レガシィを上回るスペックを持っていたギャラン&レグナムVR-4だったが、ブランド力などが原因だったのか、レガシィに及ばなかったのも事実だ。
中古車は原稿執筆時点ではどちらも1996年式は流通しておらず、価格は5台流通していたギャランが48万~198万円、6台流通していたレグナムが50万~179万円と、それほど変わらず、MT車のほうが高い傾向だ。
●編集部コメント…ランエボIVに隠れがちだったが、VR-4の戦闘力はFRのチェイサーツアラーVをも凌駕していたかも。上質感も兼ね備えていいクルマでした。
■トヨタ 8代目マークII&6代目チェイサー ツアラーV(1996年9月登場)
100系のマークII 3兄弟はプラットフォームこそ先代の90系と共通だったが、中核となるマークII、スポーティなチェイサー、セダンらしいクレスタという3兄弟の棲み分けがより進められたモデルだった(チェイサーツアラーV=全長4715×全幅1755×全高1400mm、ホイールベース2730mm、280ps/38.5kgm)。
90系からツアラーというグレード名になったスポーツモデルは、100系(クレスタはルラーン)では2.5L直6のNAとターボだった90系に対し、2.5L NAも加わった。
特にツアラー系のトップモデルとなるツアラーVは、エンジンがツインターボからシングルターボ+VVT-i(可変バルブタイミング機構)となり、高回転域でのパンチは薄れた代わりに低中回転域のトルクが太く扱いやすい性格となった。また、ツアラーVは90系同様に5速MTも設定されたこともあり、ドリフトのベース車などとしていまだに大人気だ。
1996年式の中古車は原稿執筆時点でマークIIが6台流通しており、AT(3台)が140万~185万円、ATからの換装を含むMT(3台)が280万~360万円、チェイサーはコンディションの差もあるが、マークIIより若干高い傾向だ。なお、2.5Lターボを搭載したクレスタのルラーンGにはMT設定がなかったが、MT換装車が2台流通しており、230万円と250万円だった。
いずれにしても100系ツアラーV、特にMT車はすでに手が出にくいクルマになっているが、25年ルールによりさらに中古車価格が上がるのは間違いなさそうだ。
●編集部コメント…とにかく1JZ-GTEエンジンは音がよかった。さすがはヤマハ製! チェイサーだけオーバーハングが短いのも渋い。
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