最近、クルマのシフトレバーはどんどん進化してきている。一般車だけじゃなく、筆者が走っていたころのF2やF3000マシンは5速のMTだった。それが6速になり、レバーを前後に動かすだけのシーケンシャルシフトになり、今ではスーパーフォーミュラもパドルシフトだ。
ただ、クルマ(一般車)のシフトレバーはレーシングマシン以上に進化し続けており、特にAT車のシフトレバーは各社&各車さまざまな方式が登場してきている。筆者自身、試乗会などで新型車に乗るたびに、シフト操作に戸惑うことがよくあるもの。
そこで、今回は数あるシフトレバーの方式のよし悪しを検証し、どれが最適解かを考えてみようと思う。題して「シフトレバー、どれにする?」
文/松田秀士、写真/トヨタ、ホンダ、マツダ、日産、メルセデス・ベンツ
【画像ギャラリー】インパネいろいろ、シフトだっていろいろいろ咲き乱れるの~♪の最新インパネ集!(14枚)画像ギャラリー■多段式ATとCVTとの違いとは?
ところで、この話を進める前に、ATのトランスミッションにはいわゆる多段式のATとギヤを持たないCVT(発進用ギヤを持つ場合がある)、さらにBEV(バッテリーEV)に至っては変速機を持たない直結タイプがあることを知っておく必要がある。主にここでは多段式ATの話をメインに進め、必要に応じてCVTやBEVの場合を付け加える。
まず、いちばん一般的なのが前後に動かすストレートタイプ。一番前からP⇔R⇔N⇔D⇔2(S)⇔L(B)と動かすたびにゲートをチョイスしたカチッと感があり、長らく慣れ親しんだセレクトレバーだ。このタイプで重要なのは、車庫入れや縦列駐車時にNを飛ばしてR⇔D間を繰り返しスムーズに移動できるか?であり、どのメーカーもかなりのレベルで使いやすくなっている。
ただし、このタイプの問題点は、D以下に(D→2→L)シフトした時に2段下げてLにシフトしてしまったり、逆に上げた時にDを飛び越してNにシフトしてしまったりするなど、ギヤをMTのようにチョイスしたいドライバーには使いづらい面もあった。
また、5速ATでありながら一般道で自動的にオーバートップの5速にシフトして力不足を感じないように、また高速道路での追い越し時に4速にシフトダウンできるようシフトレバー横に設けられたボタンで5速→4速にシフトする方式も現れた。
しかし、これは見た目も使用感もダサ過ぎたことと、ATのシフトプログラムが進化してエンジンの低速トルクもアップしたことから、今ではほとんど採用されていない。
コメント
コメントの使い方