軽トラック、いわゆる「軽トラ」を商用ユース以外の目的で使うことが今、けっこうなブームとなっている。
軽トラの専門誌やムックが各出版社から多数刊行され、アフターパーツメーカーからは軽トラ専用のカスタムパーツが、これまた多数リリースされているのだ。
なぜ、今さら軽トラックがこんなにもブームになっているのか、徹底解説していこう。
文/伊達軍曹
写真/ホンダ、スバル、ダイハツ、スズキ、ベストカーweb編集部
■今なぜ、軽トラブームが起きているのか?
軽トラックが大人気の理由はもちろん定かではないが、考えられるところとしてはおおむね以下のとおりだろう。
●アウトドアブームゆえ:山間部でもスイスイ走れるサイズで、荷室の汚れなどを気にせずガンガン使える軽トラは、ソロキャンプやマリンスポーツなどとの相性が良い。
●デジタル化社会の影響:車に限らず高度にデジタル化された昨今のプロダクツやライフスタイルは非常に便利で快適だが、その副作用として「アナログなもの」「土っぽいもの」へと回帰したい欲求も生まれている。
しかしこういった理屈は抜きで「とにかく軽トラ、なんかいいじゃん!」と感じ始めた人の数は決して少なくないはず。かく言う筆者もその1人である。
そこで、本稿では改めて以下の事柄を整理し、まとめてみることにしたい。
・そもそも軽トラにはどんな種類があって、それぞれ何が違うのか?
・新車はカタログを見ればわかるとして、「中古の軽トラ」はいくらぐらいで買えるのか?
■軽トラのはどんな車種がある?
まずは「軽トラにはどんな種類があって、それぞれ何が違うのか?」である。軽トラックというものが誕生した1960年代頃からの全車種を整理しようとするとキリがなくなるので、現在の軽自動車規格が制定された「1998年10月以降の軽トラ」に絞って話を進めることとする。
で、まず「メーカーとブランドの関係」は下記のとおりだ。自社で開発し、自社ブランドで売られている軽トラは2021年10月現在、下記の2つのみである。
●スズキキャリイ
●ダイハツハイゼットトラック
この2モデルに加えて「ホンダアクティトラック」も長らく自社開発/自社ブランドでの販売を続けていたが、2021年6月に惜しまれながら生産終了となった。
また「スバルサンバートラック」も6代目(1999~2012年)までは自社開発/自社ブランドでの販売が行われていたが、その後はダイハツハイゼットトラックのOEM供給版に変わっている。
現在、各社が販売しているOEM供給版の軽トラは下記のとおりだ。
●トヨタピクシストラック=ダイハツハイゼットトラック
●スバルサンバートラック=ダイハツハイゼットトラック
●日産 NT100クリッパー=スズキキャリイ
●マツダスクラムトラック=スズキキャリイ
●三菱ミニキャブトラック=スズキキャリイ
以降の本稿では、現在も自社開発を続けているスズキキャリイおよびダイハツハイゼットトラックと、つい最近まで自社開発されていたホンダアクティトラック、そして6代目までのスバルサンバートラックに限定して物事を考えていく。
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