政府の税制調査会が走行距離税導入の検討を行った(2022年11月25日の予算委員会にて野党の質問に対し岸田首相は政府として具体的な検討はしていないと回答)。走れば走るほど税金が課せられる走行距離税。ガソリン税が徴収できないEVからも税金を徴収して、税収を確保しようという魂胆見え見えの施策を振り返る!
※本稿は2022年12月のものです
文/国沢光宏、写真/AdobeStock(メイン写真=Songwut Pinyo@AdobeStock)、ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2023年1月26日号
■大型車を無視して語られる「走行距離税」
電気自動車の時代になるとガソリンや軽油などから収受している燃料課税が減少し道路の維持に困窮する、ということなんだろう。走行した距離に応じた税金を掛けると言い出した。
国民を馬鹿だと思っているらしく「電気自動車はガソリン車より重いので道路を傷める」。
常識的に考えてほしい。ガソリン車より重いと言ってせいぜい10~15%程度だ。道路へのダメージは二次関数で負担が大きくなっていく。
総車重1.5tの乗用車と、総重量20tの大型トラックを比べると、道路へのダメージは1万倍程度になる。されど1.5t近辺の10%なんか大型トラックに比べたら差などなし!
もし電気自動車が道路を傷めるというのなら、大型トラックには1万台分の走行税を負担させなければおかしい。
軽自動車や二輪車など一段と負担小さい乗り物なら税金取るための手数料のほうが高くなってしまうだろう。いずれにしろデタラメ!
百歩譲って走行課税を行うのなら、納得いく道路予算の見積もりを行い、道路に与える負担など考えながら負担額を決めるべきだと思う。
そもそも自動車は燃料課税以外もさまざまな税負担をしている。重さによって税率が変わる重量税なんか、本来なら道路の維持に使われるべきもの。
そのほか、自動車税だって道路の維持管理に使われていないのなら、何のための支払わされているのかまったく理解できない。あまりに不透明だ。
そのうえで海外なら安価や無料な高速道路ながら、我が国は信じられないくらい高い走行税を取られている。
私の家から新潟県の越後湯沢まで190km走ると90%が走行税と同じ通行料金。
コメント
コメントの使い方取れるところから広く摂ろうとする魂胆がイヤらしい。
我が国の基幹産業でもある自動車業界にも大きな影響を与え兼ねない愚策には、ほとほと呆れてしまいます。
何でもかんでも増税で、国民と企業を苦しめるのが財務省の傀儡と呼ばれる岸田政権の政策なのでしょう。
そんな日本に嫌気がさして国外へ脱出する日本人がどれだけいることか?
この調子じゃ、そのうちTOYOTAも海外へ本社ごと移転するかもしれませんね。
調子にのる一方ですね
走行距離課税を実施するなら、二重課税など燃料のふざけた税金を即刻やめることが条件だと思います