こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】CXシリーズの礎となったマツダ初のシティSUV[トリビュート]

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■販売の主軸はパワフル特性を実現した3Lエンジン搭載車

 パワーユニットは3L V6と2L 直4の2タイプを設定。主力となる3L V6は、最高出力203psという車格に見合ったパワフルな特性を発揮しながら、2000rpmの低回転域から27.0kgmという最大トルクの90%以上を発生することでスマートに扱える。

 2Lエンジンのパフォーマンスは最高出力129ps/最大トルク18.7kgmと平凡だが、レギュラーガソリン仕様で優れた実用性能と排出ガス性能を実現している。

 SUVなので駆動方式は4WDがメインとなるが、4WDシステムにはシンプルで実用的な電磁ロック機構付きロータリーブレードカップリング(RBC)式が採用された。このRBCによって、通常はほぼ前輪駆動で走行し、前輪がスリップした場合には後輪にも自動的に駆動力を配分して、雪道などでの走行安定性の向上が期待できた。

 また、走行中でもインパネに設けられたスイッチ操作によって電磁ロック機構を瞬時に作動させ、4WDに固定することも可能だ。これにより、圧雪路などの滑りやすい路面状況でも安定した走行を実現するとともに、ぬかるみでスリップしたときの脱出が容易に行える。

トラックをベースにしたクロカンSUVとは異なる洗練されたスタイルは、街なかでも自然のなかでも独特の存在感が際立つ
トラックをベースにしたクロカンSUVとは異なる洗練されたスタイルは、街なかでも自然のなかでも独特の存在感が際立つ

 一見すると大柄に思えるが、全長はファミリアセダンと同等の4395mm。2620mmのロングホイールベースと、エンジン横置き、フロントオーバーハングを短く設定することで、室内長は1810mmとし、前席はもちろん後席の足もとにはゆったりとしたスペースが確保された。

 室内の広さは荷室容量の拡大にも効果をもたらしており、荷室長は後席使用時でも922mmと日常用途に十分なスペースが確保できる。さらに、後席の座面を取り外して背もたれを前方に倒すことで最大で1820Lまで広げられることから、大きな買い物の荷物、キャンプ用品や自転車などのレジャーアイテムも余裕で積載できる。

 コンパクトなリアマルチリンクサスペンションによりホイールハウスの張り出しが小さいこと、テールゲートの開口部が大きいこと、さらに小物の積み降ろしに便利なガラスハッチを備えていることなども、優れた積載性に貢献。SUVに必須となる高いユーティリティ性能を実現している。

 外観は、当時のマツダがデザインテーマとして掲げていた「コントラスト イン ハーモニー」を反映させることで洗練さと力強さを表現。

 ボンネットのキャラクターラインや力強い前後のフレアフェンダーなどによって実現したスタイルは、街なかでも自然のなかでも際立ち、ハード志向のモデルが多かった当時のSUVクラスでは独自の世界観を表現していた。インテリアは、乗用車感覚の快適性と機能性を重視した造形で仕上げられ、使い勝手のよさとセダンなみの快適性が追求されている。

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